ガーデニング樹木葬づくりの設計・監修を行う中本氏と、
サポート会社として参加する大竹氏と、
公益財団法人聖山会代表理事、藤野聖山園の柿木が座談会を行いました。

中本さんは、日本で初めてガーデニング霊園をつくられた人として知られていますが、それはいつのことだったのでしょうか。

1995年ですからもう27年前になります。千葉県の佐倉につくりました。他にはない誰もが初めて目にする庭園式の霊園でしたので最初は受け入れてもらえなかったのですが、NHKで紹介されて人気の霊園になりました。

今もとても美しい霊園です。塀からこぼれるように咲くバラやメタセコイアの並木道など、ちょっと外国の雰囲気さえ感じる霊園です。

私もいろいろと中本さんが手がけた霊園を見せてもらったのですが、明るくて墓地感が薄い、公園のような霊園ですね。

石屋の仕事を継いだ際、どうしてお墓は暗い雰囲気なんだろうと思っていました。それが38歳の時、ヨーロッパへ墓地の視察旅行に行き、花や緑の中に芸術品のような彫刻がある美しい墓地に出会います。それは衝撃的な出会いで、日本にもこんな墓地をつくりたいと思いました。一緒に行った同業者は、何をバカなことを、という冷ややかな反応でしたが、スイスで出会った墓地にインスピレーションを受け、バラを主役にしたお墓を思いつき、日本で初めてのガーデニング霊園をつくりました。

同業者として思うのですが、今までの常識とかけ離れた墓地づくりによく挑戦しましたね。

若気の至りです(笑)。ただその霊園に、お子様を小さくして亡くされたお客様がいらっしゃり、「ここなら、こどもの友達も怖がらずにきてくれます」というお話をいただいた際には、お子さんを怖がらせない明るい墓地をつくることができたということを確信できました。

小さなお子さんが行くのを嫌がるから、お墓参りから足が遠のくのは残念なことです。私が展開している花樂苑も、明るく開かれた霊苑であることをとても大切にしています。

今回販売面などでご協力をいただく大竹さんは中本さんと、どこでお知り合いになったのでしょうか。

中本さんはお墓業界では有名な方で以前から存じ上げていたのですが、金沢の宝勝寺ふれあいパークを開発される際に、ご一緒させていただき、以後、いろいろと学ばせていただいています。
明るい雰囲気で心地よい小さなお子様にも怖くない霊園であること

さて今回のガーデニング樹木葬づくりについてお話を伺いたいのですが、まず当霊園についてどう思われたのかコメントをお聞かせ願えますか?

家内が函館出身ということもあり北海道にはよく来るのですが、やはり北海道の暮らしは、冬は静かに過ごし、春の訪れとともに元気に活動するイメージがあります。人も自然も動物も冬眠して、明るい日差しとともに人生を謳歌する。北海道の場合、お墓においても、冬は閉ざされ、春の訪れとともにお参りができるようになりますから、故人もそんなお眠り方をされるのではないかと思いました。

今回のガーデニング樹木葬のイメージカラーをスカイグリーンとしたのはそんな理由からですか?

広告制作を担当するクリエイティブディレクターにイメージを話したところ、春の青い空と大地に芽吹く緑を足した色を、スカイグリーン。また春の輝くうららかな感じをメッセージするためにブリリアントという言葉も添えたらどうかという提案を受け、決めました。
冬眠の季節が終わった後に訪れる、春の青い空と大地に芽吹く緑を足したスカイグリーンをイメージカラーに

大竹さんは当霊園についてどう思われましたか?

霊園開発を依頼される場合、ほぼお寺様からの依頼となるのですが、今回は公益財団法人聖山会からのご依頼であり、宗教・宗旨にとらわれないご提案ができると思った反面、公益に資する責任を感じました。

柿木さんは、私たちからの提案を聞いてどう思われました?

最初は管理棟前ではない場所に、つくっていただこうと思ったのですが、ガーデニング霊園は霊園の顔になるというご提案や、秋には真っ赤に色づくヤマモミジを活かしたご提案は、単に自分達のデザインを押し付けるのではなく、霊園の歴史や風景、また自然との共生をきちんと考え、お墓とは過去と未来をつないでいくものというご提案に共感しました。依頼して本当によかったと思いました。